秋の夜長には、仕事に趣味にと夜更かししてしまい、寝不足になる方が多くなることでしょう。今回は、言葉再考の執筆担当蒲池氏(文中:K)に、ご自身も関心の高い「睡眠」について聞いてみました。
―― 現代のビジネスマンは睡眠時間の短い人が圧倒的に多いと思います。もっと寝たいと思っていても、そうもいかない事情がいろいろあると思うのですが。
K : 現代人の睡眠の悩みには、眠れないということ、忙しくて寝る時間がないという二つですね。それに、睡眠時間が少なくなると、質ということにも関心が向きますね。
―― すぐに眠りにつきたいからお酒を飲もうとすると、「睡眠の質が悪くなるよ」と言われます。質とは何でしょう?睡眠は、脳と身体の休息だということは判りますが。
K : 質とも関連して、睡眠とは何か考えてみますね。
K : 睡眠には幾つかの種類があって、それごとに役割がある、それをちゃんと組み合わせてとらないと、身体だけでなく、精神も健全な休息を得られず、不調をきたしてしまいます。
そういう睡眠の科学的解明は、実は、レム睡眠というものが発見されてから、急速に進んだのです。
レム睡眠はREM(Rapid eye movementsleep)急速眼球運動睡眠という意味です。50年程前に発見されました。一方、レム睡眠でないものがあります。ノンレム睡眠(Non-REM;眼球が動いていない睡眠)です。違いは次の表にまとめましたが、深い、浅いということは、発生する脳波で4段階くらいに分けられています。

そしてこの二つの睡眠には、発生周期があり、だいたい、誰でも、1.5時間です。

(2)如何に良い睡眠をとるか
―― では、良い睡眠とは何でしょうか。どうしたら良い睡眠がとれるのでしょうか。
K : はい、その回答は、次の二つです。
(1)良い睡眠は、
・ このサイクルに乗り一晩に3回転(コマ)を確保する。
・ 起きるのはレム睡眠の時
(2)入眠するには、
・ 交感神経を興奮させずに眠る。そのため
・ 寝る前に深刻に考えたり難しい問題を真剣に解こうとしない
ということです。
―― 睡眠時間はどのくらいが好ましいのでしょうか?
K : 時間としては、少なくとも、3コマ(4.5時間)です。というのは、ノンレム睡眠は最初の3回くらいで相当深く(脳波のθ波が発生)なり、そこで脳と身体が休息するとともに、成長ホルモンが身体の組成に一役買うからです。
レム睡眠の切れ目の時(1.5時間目の倍数ごと)に起きれば、2コマでも目覚めは爽やかです。これは、もう、何百回も僕自身で実験済みですよ。でも、2コマを続けていると成長ホルモンの量が確保されないことや、休息が慢性的に足りなくなりますね。理想的には4コマ6時間でしょうね。
―― 眠る前には頭が興奮することをやめないといけませんね。先程、例にあがった寝酒もダメなのですか?
K : アルコールを飲んで3時間後にはアルデヒドになるのです。それは交感神経を興奮させるので、このリズムが崩れます。
―― だからお酒は睡眠の質を悪くするというのですね。
K : その通りです。どうしても眠れない場合は睡眠専門のドクターに相談することですね。睡眠は相当科学的に解明されていますから、悩まない方が良いですよ。まずは、いろんな本が出ていますから、読んでみてください。お奨めは、堀忠雄さん、遠藤拓郎さんの著書です。何冊もあります。ここで話したことも、その方たちの本から得たことが多いです。
―― 良い睡眠から、心身の健康を得て、健全なビジネスにつながるといいですね。
エールパートナーズ会計発行:成長企業のための情報誌「グローイングカンパニー」
2011年11月号(VOL 136)より
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