文●代表 宍戸賢輔(公認会計士・税理士・MBA)

 
■福島原子力発電所(原発)事故の現状
  福島原発事故前まで「絶対安全」と盛んに喧伝されていましたが、福島原発は想定外の脆さと無作為のような対応の中で爆発し、1号機から4号機まで「溶融」状態のまま長期戦の様相を呈してしまいました。
 原子力安全保安院は4月12日、IAEA(国際原子力機関)の基準により、「福島原発事故」を最悪の「レベル7 深刻な事故」と暫定評価しました。あの「チェルノブイリ原発事故」と同じ位置づけです。
 半径20kmが警戒区域となり、更に計画的退避区域が設けられ、その距離は福島原発から北西方向に、50km近くにも及びます。
 正直なところ、アメリカが事故早々に滞日米人に指示した「80km圏外」が住民を守る適正な判断だったのかもしれません。
 
■原発の推進理由は何だったのか
 八つほど、喧伝していましたが、主要なものは次の点でしょう。
1、「絶対安全」と政府、原子力安全保安院、原子力委員会及び電力各社が力説した。
2、クリーン・エネルギーで、CO2を排出しない地球にやさしいエネルギーである。
3、電力の供給量の30%を占めている。
4、発電コストが、最も安価である。
 
■推進理由の完全な破綻
1、「絶対安全」でないことは、今回及びこれまでに起きた事故の事実が証明しているので、説明不要でしょう。
2、放射性物質の恐ろしさは、外国人の日本からの避難騒動や世界各地の原発反対デモを見れば、これも説明がいりません。
3、火力発電所の稼働率は、40%程度であり、残りが未稼動状態です。これを稼動させれば、十分に電力供給量は、間に合うそうです。これは、東電自身が、過去に発表しています。また、使い過ぎた電力使用を私達が反省し、少し節電すれば、問題ないと思います。
4、発電コストには、今回のような事故を想定に入れていません。もう既に、東京電力は多額の賠償金で、政府管理になると報道されています(4/21、朝日朝刊)。そして、国土を汚してしまい、海を、空気を汚染してしまったのです。国際的な賠償問題を惹起するかも知れません。そのコストは、莫大になります。どちらにしても国民が負担することになるでしょう。
 
■この国の危うさ(管理危機)
 まず、原発に関する責任が曖昧で、政府・保安院・委員会及び電力会社、どれもが国民に対する真摯さがありませんでした。
 政府の発表は、テキトーで、国民はそれをもう一度咀嚼しなければならず、「安全・安心デマ」となったのです。
 保安院は、原発のチェック、検査、許可をする原発のカナメであったはずが、東電に責任を負わせ、常に第三者的な発表に終始しました。
 原子力委員会の学者先生は、静かになってしまいました。
 当事者の東電は、事故対応は技術立国・日本の面影は皆無で、「まさか!」というドタバタの連続です。
 さらに情報隠蔽が見え見えで、国民に対する誠意が感じらません。
 この事故の核心は、「クライシス・マネジメント」(危機管理)では無く、「マネジメント・クライシス」(管理危機)の方だったのです。政官財の指導層に、責任感が欠如しているのです。
 
■被災者が日本の誇り
 被災している苦しい中での被災者の皆さんの素朴で高潔な態度を見るたびに、驚きそして感動しました。
 海外の各国メディアも、その姿を高く評価し、報道したところです。今回の事故に関する、日本の政・官・財等への低い評価とはまるで違っていました。
 被災者の皆さんが、この情けない日本の誇りだと思います。
 
■脱原発
  私は、原発反対でしたが、表面的には行動していませんでした。これは、「無関心派」にも見え、原発推進の一翼を担う結果になってしまったのかも知れません。
 各地のきれいな故郷を壊し、放射能を持ち込ませ、のうのうと電力の供給を受けていた私たちこそ、今、猛省しなければならないと思っています。
 本当に申し訳ありませんでした。
 脱原発に向けて、微力ながら努力することを誓います。
 
INES(国際原子力事象評価尺度)

 

エールパートナーズ会計発行:成長企業のための情報誌「グローイングカンパニー」

2011年5月号(VOL 130)より

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