今回の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)は、自然の力が人間の予想をはるかに上回り、「凄まじい現実」を人間に突きつけました。まさに戦後最大のショックであり、どう対応するかがこれからの日本経済の行方を大きく左右します。
今回は、いくつかの非常事態が連続して発生し、その影響は、今も続いています。
まず①マグニチュード9.0の大地震、②地震によって引き起こされた超巨大津波、③地震と津波によって操業停止となった福島第一原子力発電所、④福島原発から流出している放射能汚染。
こんなことは、戦後初めての体験であり、企業としての真価が問われていると言っても過言ではありません。しかもこの4つで引き起こされた不幸な被害は、今も解決の目処が立っていません。まだ進行形なのです。
まずは正確な情報の入手
このような事態で真っ先に必要なのが情報です。 地震が起きた時に一斉に携帯電話や固定電話で家族や会社に連絡をしようとしました。しかし全く繋がりません。次にメールを送りますが、繋がりません。テレビも上空からの撮影では、現地で何が起きているか分かりません。阪神大震災の時と同じです。また今回は、被災の範囲が、けた違いに大きく(福島・宮城・岩手・青森・茨城・千葉の一部まで)、情報が氾濫し収拾できない状態が続いています。更には、放射能の流出問題の情報、計画停電等々正確な情報が入らないための混乱が各地で発生しています。
メディアの劇的進化が始まる
こうした中で真っ先に活躍したのがtwitter。どこで何があった、安否確認、様々な情報が飛び交いました。中でも誰もが恐れたのは、全く発信のない地域があるという事でした。(発信がないエリアがあるという事は、そのエリア全体が大被害の可能性があるという事です)。不幸にもその予測はあたり、現在(3月21日)でもある地域に住む人の大半の安否が確認できない状態が続いています。ただ何の検証もない個人ベースの発信が多いためデマも多く、混乱の原因にもなりました。
次に、NHKの放送をそのままパソコンで視聴できるUSTREAM(Webソフトで動画の受発信が簡単に出来ます)。1個人ユーザーが著作権侵害覚悟で始めたのをNHKの広報担当社員が独断で許可し、その後NHK他民放も自社でUSTREAMに放送を流し始めました。更に、各地域で、刻々と変わる情報を現地のテレビ局やラジオ局の取材スタッフが決死の覚悟で現地に入り、伝え始めます。
はからずもマスメディアとソーシャルメディアの連携が現場レベルでどんどん進んでいきます。
いままでは、このような非常事態の時は、テレビの独壇場でした。しかし、個々の人々の安否情報と局地の状況は、ソーシャルメディア(twitter他)による情報が威力を発揮しました。大動脈としてのマスメディアと、網の目のような毛細血管のインターネットは、それぞれが、がっちり連携しながら、巨大で有機的な情報ネットワークとして機能していく姿が理想であることが証明されました。
以上のように、ソーシャルメディアが緊急時に役立つ事が証明された以上、各企業のクラウド環境(海外のどこかにデータが置いてある状態)でのソーシャルメディアの利用推進が急務であることは言うまでもありません。ほとんどのソーシャルメディアは、一般非公開で、企業の社員だけで利用する事も可能です。非常時のコミュニケーションツールとしても是非注目したい道具です。