2011年の注目事項は、1.グローバル化の更なる進展、2.アジアの成長が消費やインフラ整備に大きな影響を持つ、3.環境を軸としたダイナミックな動き等ですが、中でも注目すべきは、アジアの急成長に伴って、大きく増えるアジアの中間層の消費動向です。三井物産戦略研究所によれば、10年後には、アジアの中間層の数は20億人にのぼるとしています。とんでもない数の市場が出現します。（中間層とは経済産業省の定義で世帯あたりの年間可処分所得5千ドル〜3万5千ドルの人々。）

 

既に、今年7月ビザの緩和に伴い中国の観光客が大挙して押し寄せた時の対応が問題になりましたが（尖閣諸島問題で鎮静）、これからは、日本と同時にアジアの顧客を常に意識したビジネス立案が求められます。

現在で10億人弱、10年後に20億人の需要は、いやおうなく大きな影響を受けます。そうであれば積極的に仕掛けるべきです。

 

三井物産戦略研究所によれば、大きな3つのポイントを指摘しています。

 

インドでは、二輪車はスクーターよりオートバイが売れ筋。しかしベトナムではかつてのホンダのスーパーカブ寡占状態からスクーターが人気上昇中。地域や時期によって売れ筋がどんどん変化しています。

＊日本では市場縮小商品が、アジアでは成長商品の可能性もあります。

 

日本でもそうでしたが、都市への集中化が進み、基盤整備事業が大きく伸びます。アジアに向けて、日本の地方自治体も動き始めました。水質改善技術が世界トップクラスの東京都が、東南アジアへの水道ビジネスの売込みを開始しています。

＊インフラ事業はすそ野が広く、あらゆる面で日本の技術力を生かせる可能性があります。

 

話題になっている格安航空、中国の春秋航空の茨城ー上海片道4000円、エアアジアの羽田ークアラルンプール片道5000円などを背景に、日本の各都市とアジアが直接つながり始めます。

＊アジアからの来客（観光以外のビジネスでも）に準備できているのでしょうか。

地域的にも文化的にも密接につながりのあるアジア。様々な歴史の経緯や領土問題とは別に、これからの10年はあらゆる面で企業が大きくかかわりをもつのは間違いありません。国内ビジネスを考える時に、同時に、アジアとの関係を考え準備する。それだけでも大きな一歩となるでしょう。