文●マーケティングコンサルタント 中安 康
もはや、パソコンではなく、Tabletを前提としたビジネスや情報発信が必要になってきました。 「Tablet」とは、アップルのiPadに代表される、キーボードレスで、画面タッチ式の液晶端末です。
(注)もちろんパソコンの基本機能を持っています。
今年の4月、アメリカから発売されたiPad(日本では5月末)は、最初の3ヶ月で300万台をあっという間に突破し、7〜9月の4半期で418万台と既に合計700万台を突破する売上台数です。そんな中、11月にはサムスン他の各社からも続々と「Tablet」が販売されます。
アメリカの著名な市場調査会社のガートナーによると、2010年のTabletの世界の売上台数は1950万台に上る見通しです。2011年には5480万台、2012年にはその約2倍の1億300万台と成長を続け、4年後の2014年には2億800万台に達すると予測しています。
これほどまでの急激な伸びの理由は2つあります。1つ目は、用途の違い。文書作成や表計算などを行う1台目のパソコンとは別に、インターネットや動画等を見る2台目の需要をTabletが担うとみています。2つ目は、価格。iPadは、500〜830ドルでしたが、これから参入するメーカーは、今後2年間で平均価格は300ドル以下になるとガートナーは予測しています。

その中で、iPadを追いかける台風の目になりそうなのが、日本では、11月末にNTTドコモから発売されるサムスン製の「Galaxy Tab」。比較表(右図参照)で明らかなように、iPadを圧倒するマシンです。7インチサイズで重量はiPadの半分近く、本格的なテレビ電話としての使用を想定しているようです。
いずれにしても近い将来、今のパソコンよりも大きな市場となるとの予測から、今後、続々と各社から新製品が発売される予定です。
それでは、私たちは「Tablet」を利用してどんなビジネスが出来るのでしょうか?
もちろん目玉は、電子書籍です。まず、お客様と共有できるデータをスキャニングして電子化する。これを徹底することです。
例えば、トステムは、数十ページから数百ページのカタログ全て(約200種類)のカタログをiPadに入れて、営業マンは、いつでも必要な時に取り出してお客様にご説明できる環境を整備中です。また、アットホームでは、年間6億枚発行のファクトシート(不動産屋さんの店頭に貼ってある物件情報)を全てスキャンし、分類して、情報提供を開始しました。
今まで持ち運ぶのをあきらめていた販促資料を電子化し、営業説明ツールとして整備します。これを徹底することで営業マンの効率は飛躍的に向上します。
「Tablet」は、どこでも、手元で自由に取り出して使える図書館であり、プレゼンツールであり、書類棚です。そこに必要なのは、プログラムやインターネットの知識ではなく、書類を整理整頓し、ファイリング管理するというスキルです。1台5万円以下の「Tablet」を、1人1台2年間利用するとして、1ヶ月2000円/人の投資です。最適な機種選びをして、すぐにでもスタートしたいところです
※注:まだ呼び名は様々で、Tablet、Tablet PC、タブレット型端末などと呼ばれていますが、本文では「Tablet」に統一しています。。