文●マーケティングコンサルタント 中安 康
ソーシャルメディアについては、「最近良く聞くけど、なんのことかよくわからない」、「一部のマニアックな人の、情報交換の場でしょ」、「あまり興味ないし、関係なさそうだから知らなくていい」という声の一方で、「活用したいけれど、どうしていいかわからない」という声も聞きます。 これまでのインターネットサービスとは違う特徴を持つ「ソーシャルメディア」とは何なのでしょうか。
今注目のツイッター
「世界中いたるところで、ぶつぶつつぶやいている人がいる。」「何人かで挨拶している人がいる。」「セミナーやイベントの勧誘をしている人がいる。」「他の人に役立つ様々な情報を紹介する人がいる。」「誰かが質問したら、全く知らない人が答えている。」「全く知らない何人かが今度一緒に食事に行こうと言っている・・・。
実はその全てが、ツイッターで毎日、世界中で起きている出来事です。
それは「ツイート」(つまり、つぶやき)という書き込みを1億以上の人が使っているのです。一人でつぶやいている人もいれば、会話している人もいます。あるいは興味ある話を見ているだけの人もいます。
登録すれば、誰もが見ることも、参加することも可能です。
ソーシャルメディア注目の年
様々な用語の動向が分かるグーグルの「Googleトレンド」で「ソーシャルメディア」を調べると(グラフ参照)、ニュース等では2008年位から登場し始めましたが、ユーザーが注目し始めたのは2010年に入ってからというのがわかります。昨年までは、一部の人の関心事でしたが、どうやら無視できそうにない、というのが2010年です。
【グラフ】Googleトレンドに見る「ソーシャルメディア」 ※直近では「ソーシャルメディア」のGoogle月間検索数が9,900件。昨年は1,000件以下でした。
ソーシャルメディアとは
既出のツイッター(twitter)が今のソーシャルメディアの代表で、ほとんどの大企業が注目しています。それは、企業によるクチコミ活用=ソーシャルメディアの活用が必須の時代になってきたからです。
ソーシャルメディアとは、個人個人の情報発信が作り出すメディアです。一方的なものではなく、世界的なあるいは日本全国のやり取りの中から、新しいつながりや価値、更には新たなアイデアや企画が生まれています。
では、何が新しいのでしょうか。個人の情報発信がマスメディアのように、多くの人々に伝わる可能性を秘めていることです。
電話やメールは、個人から個人への伝達でした。マスメディアは多くの人に伝達が可能ですが、多額の資金が必要なため発信できる会社も限られてしまいます。
ソーシャルメディアは個人の発信とお互いのコミュニケーションや会話を世界規模で可能にしました。
今までと全く違うチャンスの時代
人々が情報を公開することで、会話や考え、つながりがオープンにされます。そのことが全ての人に新たなチャンスを生むのです。必要な人材、必要な協力先、自社が力を発揮できる得意先、ソーシャルメディアのおかげでビジネスの可能性は飛躍的に広がります。
企業の発信がまだまだ少ないのが日本の現状ですが、アメリカでは、ツイッターと関連して語られるフェイスブック(Facebook)がアメリカのネット人口の70%が使うまでに成長しました。ここ1年でユーザー数が倍増しています。このことは、アメリカでは、ソーシャルメディアが既に当たり前という環境になったということです。日本もここ1年で大きく変わるでしょう。
*ソーシャルメディアといわれているサービス→ツイッター、SNS(ミクシィ、フェイスブック他)、動画(YouTube他)、口コミ系サイト(価格com等カスタマーレビュー他)、ブログ、ウィキ、ポッドキャスト、ソーシャルブックマーク、など多彩な形態を取る。