文●代表 宍戸賢輔(公認会計士・税理士・MBA)
今号は、ツイッターをはじめとしたソーシャルメディアの特集となりました。まだ始めていない読者の皆様も、興味を持たれたのであれば、試してみてはいかがでしょうか。
■ こんなツイートは嫌われる
ツイッターのTLではビジネス利用しているツイートもよく見かけます。工夫を凝らした使い方もいろいろありますが、私が嫌だなと思うのは、「本日、一泊、XXXX円、△室空き有。」といった商売の告知だけをツイートし続けるものです。何故かシラケます。
また、Bot※1を利用しているのでしょうか、ずっと自分の宣伝ばかりをする人や会社も疑問符ですね。自殺騒動の時に、資金繰りコンサルのツイートがTLにずっと流れているのはいかがなものでしょうか?あるいは、DM※2での問合せに、全く返答をしないホテル。双方向にコミュニケーションを取る仕組みがあるのに、一方的で違和感を覚えます。
■ こんなツイートは好ましい
一方、天気予報から旬の特産物、観光案内、今日の料理、そして問合せ対応までしている旅館の女将さんのツイート。そのプロフィールの写真と相俟って何か癒され、「ぜひ一度行きたい」と思ってしまいます。
色々なキャラクターを登場させ、面白おかしいツイートのやり取りから、さりげなく集客を促しているもの。思わず、詳しく知りたくなって、ツイートに載せているHPやブログのアドレスをクリックしてしまいます。
ビジネス利用をする場合、そのツイートに人間性を感じさせる誠実さを持たなければ、逆効果になる可能性があるでしょう。
■ ビジネス利用のキー
巻頭の体験記でも書きましたが、「双方向性」「リアルタイム性」「拡大性」「平等性」がツイッターの特徴です。
また、140文字の表現ですが、写真や動画、音声、位置情報などをURL(アドレスを示す文字列)にして投稿できます。これをクリックすることで、ウェブ上のあらゆる情報に繋がるのです。つまり、仕掛け次第でいろいろな展開が可能になります。
7/20 オフィスからみた夕焼けを投稿

■ 企業のツイッター展開例※3
参考として、次のものを紹介します。
日産自動車の電気自動車「リーフ」は、ツイッター等のソーシャルメディアで広告宣伝を展開し、テレビ、新聞広告等のマスメディアを一切使わない方針を打ち出しています。単純な商品情報の告知はほとんどなく、時にはフォロワーとのダジャレの応酬などの緩いツイートも混じえた運営方法です
「ファーファ」ブランドで柔軟剤を販売するニッサン石鹸は、愛くるしいファーファというクマのキャラクターがツイートしています。商品販売を前面には打ち出さず、なごみ系の内容でユーザーとの関係づくりに専念し、必要に応じて、企業担当者が登場する方法をとっています。
ソーシャルメディアの良いところはお金をかけずに気軽に始められること、試行錯誤しながら自分のスタイルを見つけていけることです。まずは、私をフォローしてみてください。この繋がりが、新しい何かに繋がる可能性を持っています。
※1: Bot(ボット)…自動的にツイートするプログラム
※2:DM(ダイレクトメッセージ)…相互にフォロー関係にあるユーザーに、他の人には見えないようにメッセージを送る機能
※3:「週刊ダイヤモンド2010.7.17」記事を参考にしました。
エールパートナーズ会計発行:成長企業のための情報誌「グローイングカンパニー」
2010年8月号(VOL 121)より
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