弊社(紀尾井町22Fオフィス)からは、迎賓館及び赤坂離宮の森がよく見えます。季節の移ろいとともに、桜の薄ピンクから新緑、そして5月を過ぎてからは一層濃い緑を目の当たりにし、東京にも豊かな自然があることを感じさせてくれます。
さて、その迎賓館。ご存知のとおり、外国の国家元首や首脳などの国賓を迎え入れたときに、宿泊等の接遇を行う施設です。賓客の滞在中は、首脳会談、表敬訪問、署名式、レセプションや晩餐会など様々な外交活動が行われ、これらの接遇を通じて、迎賓館はその国との間の相互理解や友好促進に大きな役割を果たしています。
迎賓館は、かつて紀州徳川家の江戸中屋敷があった広大な敷地の一部に、明治42年(1909)に東宮御所(後に赤坂離宮となる。)として建設されたものです。ヴェルサイユ宮殿を模したと言われ、宮廷建築家片山東熊の設計により、当時日本の一流建築家や美術工芸家が総力を挙げて建設した日本における唯一のネオ・バロック様式の洋風建築物です。戦後、わが国が国際社会へ復帰し、国際関係が緊密化してゆくなかで外国の賓客を迎えることが多くなったため、「旧赤坂離宮」を改修して迎賓館とすることになったという経緯があります。昨年12月8日には、旧東宮御所(迎賓館赤坂離宮)として国宝に指定されました。実に明治以降の文化財として初の国宝となるそうです。
さて、この迎賓館、一般にも公開されていることをご存知でしょうか。毎年接遇に支障のない時期(主に夏季)に館内を一般に公開する参観が行われています。今年は7月23日から8月1日までの日程で一般参観を実施する予定で、5月25日まで往復はがき(1通により2名が参観可能)による申込みを受付していました。参観者の定員は20000名と定められ、応募多数の場合は抽選になるそうです。
ちなみに、今回掲載の写真は、昨年11月、天皇即位二十周年記念にて前庭が一般公開された際に、外観を撮影したものです。
国宝にも指定された歴史的建造物です。残念ながら今年の申込みには間に合いませんが、次の機会、参観してみてはいかがでしょうか。
【参考】 内閣府ホームページ