文●代表 宍戸賢輔(公認会計士・税理士・MBA)

■下野街道歩きを誘われる
最近、健康や筋肉に益々自信が無くなって、ゴルフに誘われても重い腰がなかなか上がらない状況でしたが、そんな折に、「下野街道を一緒に歩きましょうよ」と東京のクライアントの方たちからお誘いを受けました。下野街道は、私の出身地をも通る旧街道で、当然そうした理由もあったのでしょう。
この街道は、福島県会津若松市と栃木県日光市今市(旧今市市:いまいちし)とを結ぶ全長130キロにも及ぶ街道で、会津藩主・保科正之により整備されたものです。
現在でも、南会津郡下郷町町域の旧街道22キロのうち、年間120万人の観光客が押し寄せる大内宿を中心とした、10数キロがよく整備されています。
■「下野街道を行く」
この「下野街道を行く」という企画は、そもそも私どものクライアントである、下郷町でホテル洗心亭とドライブインへつりガーデンを経営する⑭藤見荘社長の本島慶文氏ら民間が中心となって立上げ、県の支援事業にまでしたものです※1。
どうやら私は東京と地元のクライアント間の情報網のおかげで、「下野街道を歩く」羽目になったようです。全く自信の無い身体の状態のまま、東京のクライアントの方たちと洗心亭に前泊し、そしていつも通り、大いに痛飲してしまいました。本当に困りものの人間なのです。
■ いよいよ歩く
翌朝、地元有志の方々から挨拶とともに「大丈夫ですか?」「いつでも止めてください」「救助車両を近くに置きます」などと言われながら、宿場町の面影を色濃く残す大内宿をスタートしました。
一里塚や茶屋跡、馬頭観音などの史跡を巡り、昼食時には大きなおむすびと具だくさんの豚汁がふるまわれ、生演奏の音楽まで付いていました。
■ トレッキングの虫に噛まれたぞ!
午後3時、どうにか汗まみれでゆっくり完歩した私でしたが、大きな疲労感とそれにも勝る満足感に浸っていました。
運動不足・肥満・高血圧と、ご他聞に洩れず、良いところのない健康状態。心にも体にも効く特効薬など無いと思っていましたが、あった!「これだ、トレッキングだ」。自分のペースでいい、ローインパクト、きれいな酸素を体に送り、更に森林浴で木々のフィトンチッド※2も吸い込みます。
その後、会津若松市の芦ノ牧温泉、不動館で評判のお湯にじっくり浸かった後、久しぶりに朝まで熟睡をしてしまいました。
二十数年前にゴルフの虫に噛まれましたが、どうやら今度はトレッキングの虫に噛まれたようです。
※1:主催・イベント企画/下郷町あるもの探し実行委員会(平成21年度 福島県地域づくり総合支援事業)
※2:微生物の活動を抑制する作用をもつ、樹木などが発散する化学物質。森林浴はこれに接して健康を維持する方法だが、健康だけでなく癒しや安らぎを与える効果もある。(参考・Wikipedia)
弊社発行:成長企業のための情報誌「グローイングカンパニー」
2009年12月号(VOL 113)より
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