文●キャリアコンサルタント 吉崎 英伸
米国発の世界同時不況で、企業を取り巻く環境は一変しました。こういう時こそ自己改革しながら、経営者・幹部は役割を果たさなければなりません。重要な役割を果たすために、経営者・幹部は「かくあるべし」という実践行動を今月より自己チェックリストの形式で提起します。
初回は「部下を正しく評価する」ための実践行動についてです。評価制度は従業員のモチベーションに大きく影響します。それだけに、人が人を評価する難しさを理解し、日頃からよく観察し謙虚な気持ちで評価することが必要です。評価を有効に機能させるには、・評価に客観性を持たせる、・結果の納得性を得る、・評価フィードバックを発奮の機会とすること等が大切です。 下表の自己チェックリストに○印を付け、合計で何点になるか、どの部分が弱いかを是非確認してみて下さい。十分実践出来ていなければ今後どう取り組んでいくかを考える材料とし、また仕組みそのものが不十分であれば、会社としても最大限改善する必要があります。評価制度(正しい評価)は重要な経営課題なのです。
経営の実践行動
「部下を正しく評価する」
■ 自己チェック項目
客観的な評価の実施 | ×(0点) | △(1点) | ○(2点) |
1. 仕事ぶりや行動を観察し、何が出来て何が 出来なかったか随時記録している | |||
2. 先入観を持たず、基準に照らして客観的に、 公平に評価している | |||
3. 業績や記録された具体的な事実をもとに評価している | |||
4. 新しいことにチャレンジしたか、貢献度の高い 仕事をしたかを評価している | |||
5. 学歴や印象などで評価したり、顕著な特徴に引き ずられて他の特性も同様とみなすこと(ハロー効果) がないように、十分注意している | |||
6. 評価はその時点時点で見直しを行い、過去の 評価を引きずらない | |||
納得性を得るための会社としての仕組み | |||
7. 客観性を保つために評価基準をあらかじめ設定し、 従業員に説明している | |||
8. 評価者のレベルアップをはかるため、評価者研修 を実施している | |||
9. 一人だけの主観の影響を排除するため、複数の 人による評価を実施している | |||
10. 部下自らが自分を見つめ直すために、自己評価 制度を導入している | |||
評価結果のフィードバック | |||
11. フィードバック内容を事前に十分検討した上で、 フィードバックしている | |||
12. 評価結果について、どう評価し何故そうなったか 等、十分説明している | |||
13. 不満が出た場合、部下の言い分も聞きながら 十分話し合って納得を得ている | |||
14. 上司が一方的に話すのではなく、意見を傾聴し 気づきを与えるようにしている | |||
15. 次期に向けた部下への期待や課題を伝え、 やる気を喚起している |