文●マーケティングコンサルタント 中安 康
この新たなコミュニケーションサービスの登場は、人類がネット世紀に急速に移行していることを示唆しています。 ホームページでもない、ブログでもない、SNSでもない、また新たなメディアが登場し、すごい勢いで増殖中です。アメリカのオバマ大統領がこのtwitterを使って情報発信したことで急速にファンを増やしたのが有名です。140文字までで書き込んだ文章は瞬時にアップされます。「今日は○○で集会だ、近くに住んでる人は集まろう」と呼びかけたり、オバマ本人が「今、ごはんを食べて、講演会の会場に出発だ!」という書き込みをすると、支持者はますますオバマを身近に感じるのです。twitterやブログでボランティアや寄付の呼びかけをしました。
twitterとは、日本語では「つぶやき」=メッセージです。自分専用のページ(ホーム)で、上部にあるテキスト入力欄(いまなにしてる?)に「つぶやき」(140文字まで)を打ち込んで投稿ボタンを押すだけです。メッセージは下の一覧に表示されますが、この一覧には、自分が見たい人の「つぶやき」も表示されます。画面右側にある検索キーで自分の趣味や仕事に関連するキーワードで探します。新規で登録するときは、お勧めの20人の「つぶやき」を自動で登録できます。あとで登録から消すことも出来ますので最初は便利です。 140文字までという文字数。これが、手軽に使え、携帯電話との相性が良いというtwitterの特長です。一般の携帯電話ならモバツイッターに携帯サイトからアクセス、登録すればすぐ使えるようになります。iPhoneユーザーなら、多くのtwitterアプリが出ています。
ネットを見ると「最初は、あまり魅力を感じなかったが、やっているうちに病みつきになった」というユーザーの感想が多くあるようです。
筆者も便利さを実感しました。8月11日早朝に発生した静岡地震の時、午後からの東海道新幹線を使った出張予定がありました。9:00過ぎには新幹線も運転開始というニュースがあり、出かけるつもりでしたが、昼ごろtwitterで「地震」と検索したら「今、熱海で、もう90分止まっている」「新大阪駅だけどまだ電車が来ない」等の書き込みがあり、出張を中止しました。twitterの即時性と多発性が生かされました。
基本は趣味や仕事に関係する事柄で繋がった人とのコミュニケーションですが、コミュニケーションをとらなくても、この人の情報をウオッチングしたいという場合も使えます。逆に役に立つ情報を多く流して読者を増やすことも出来ます。ちなみに日本では朝日新聞、毎日新聞が読者10万人以上、林信行さんや徳力基彦さんというITコミュニケーション業界で有名な方が6万強のファンを持っています。しかし世界では、300万を超えるファンユーザーを持つ俳優のashton kutcher、歌手のbritneyspears を筆頭に100万を超えるファンを持つ方が多くいます。しかもその数は急増しています(いずれも8/12現在。2009年4月には100万ユーザーを越える情報はなかった)。発行部数300万を越える個人のニュースサイトが存在し、急激に増殖中ということになります。
純粋なビジネス利用はこれからですが、DELLは、ユーザーサポートのためにtwitterをフルに利用しています。その他では、中古自動会社や不動産会社がクルマや不動産の最新情報を流し、ホームページやブログに誘導しているケースも見られます。
twitterはこれからもどんどん増殖し、巨大化すると思いますが、Webのすごさは、twitterのような巨大なコミュニケーションサービスを次から次へ生み出す空間領域だということです。世界はネット世紀へいよいよ突入し、Webの利用方法によって各企業間の格差が拡大して行くことが現実となるでしょう。