文●代表 宍戸賢輔(公認会計士・税理士・MBA)
■「アイム ビジネスマン」
「アイム ビジネスマン」は、アメリカ映画でよく登場するセリフです。
例えば、黒人俳優のエディ・マーフィが主演した「ビバリーヒルズ・コップ」では、刑事役のエディが、おとり捜査で盗品の売買している時、犯人に何か怪しいと思われて発したセリフがこれでした。
日本語に訳す場合は、「商売人」「実業家」「会社員」などありますが、この場面では、「おれは(まっとうな)実業家だぜ」と訳すとイメージが合います。
アメリカ人には、「アメリカン・ドリーム」と言われるように、起業家や実業家で成功することが、一つの憧れであり、社会的ステータスです。実業家は、国にとっても、税収、雇用、技術革新をもたらす国家発展の礎と考えられています。
「官尊民卑」の国ニッポンとは逆に、「民尊官卑」の国なのです。
従って、企業の開業や伸長が、国の重要政策であり、景気政策の柱ともなります。
そして、企業の価値や国力をあらわす一つの重要な指標が「株価」ということになります。
■「株屋って信用されてない」(読売新聞3月22日朝刊)
これは、3月21日、麻生総理大臣が、自身の発案で始められたオール・ジャパンの「有識者会合」で、松井道夫・松井証券社長に対して答えてしまったセリフです。
ここで求められているのは、一般的日本人の感想ではなく、自由主義経済世界第二位の経済大国のトップとして、この経済状況下での回答なのです。
ご自身で言っている「百年に一度の経済危機」という意味を理解しているのか、甚だ疑問な回答です。
祖父の吉田茂首相は、ワシントン講和条約を締結した翌日に、側近に「株価はどうだ」と聞いたそうですが、政治センスは遺伝しないことは確かなようです。
■会社数が激減
政・官関係者には、自由主義経済で国の成立を考える場合、活発な開業・企業活動を支援することが、国・地域の重要な政策である事を深く認識してほしいと思います。
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